これまでの開催時期・テーマ・講師等は次の通りです。 □第1回 2001年9月22日(土)14:30〜16:30 慶應義塾大学(三田)・南校舎 『ボランティアによるシニア世代の社会参加』 講師:高畑 敬一氏 (ニッポン・アクティブライフ・クラブ代表、当学会副会長) □第2回 2001年11月8日(木)18:30〜20:30 生命保険文化センター (千代田区内幸町) 『年齢から自由な社会〜生涯現役社会をめざして』 講師:清家 篤氏(慶應義塾大学教授、当学会副会長) □第3回 2002年2月2日(土)13:30〜16:30 女性と仕事の未来館(港区芝) 公開シンポジウム 『シニアの生き方・働き方〜年代や男女の壁を超えて皆で話し合いましょう』 第1部:基調講演 樋口 恵子氏(東京家政大学教授、女性と仕事の未来館館長) 第2部:パネルディスカッション パネリスト 上田 宗央氏 (株式会社パソナ社長) 菅野 正純氏 (労働者協同組合連合会理事長、当学会理事) 坂東 真理子氏 (内閣府男女共同参画局長) 守永 英輔氏 (淑徳大学教授、当学会理事・事務局長) コーディネーター 袖井 孝子氏 (お茶の水女子大学教授、当学会副会長) □第4回 2002年4月20日(土)13:00〜16:00 お茶の水女子大学・共通講義棟 『地域での多様な「働きの場」の創出』 (1)基調講演 菅野 正純氏(労働者協同組合連合会理事長、当学会理事) (2)「ボランティア活動からNPO法人まで」 松木 久佳氏(社団法人 長寿社会文化協会前事務局長、当学 会理事) (3)「高齢者に対する“傾聴”の効用について」 鈴木 絹枝氏(NPO法人 ホールファミリーケア協会理事長) (4)トータルコメント 山極 完治氏(東邦学園大学教授) ■第1回 関西シニア社会塾 2002年7月13日(土)14:00〜16:00神戸市勤労館 『介護サービスの質の向上を目指して 〜“寝かせきり老人”をなくす介護制度を考えよう』 講師:岡本 祐三氏(国際高齢者医療研究所 岡本クリニック院長) □第5回 2002年9月14日(土)14:00〜16:00 慶應義塾大学(三田)南校舎 『平成ヤンババ・ヤンジジ学入門〜次世代支援について考える〜』 講師:沖藤 典子氏(ノンフィクション作家) このところシニア社会塾では、大失業時代をふまえて「雇用における年齢差別」 「多様な働きの場創出」といったテーマを取り上げてきましたが、このたびノン フィクション作家・沖藤典子さん(当学会・理事)が「娘が『できちゃった婚』 をしたとき!」(主婦と生活社) を出版されたのを機に「次世代支援」の問題を 取り上げることとしました。「少子化」は「高齢化」と同じく、あるいはそれ以上 に日本の将来にとって重要な問題であり、「次世代支援こそが高齢者の社会的役割」 という沖藤さんの論点は、まさにシニア社会学会が取り上げるべき課題と考えます。 その意味で、今回のシニア社会塾を機に「次世代育成支援研究会」 (仮称) が、沖藤 典子さんを座長に、2003年2月12日に第1回の会合をスタートさせることと なったことは、まことに喜ばしいことです。 □第6回 2002年11月9日(土) 14:00〜16:00 早稲田大学7号館 『デンマーク高齢者のいきいき自立生活の秘訣 〜日本と違う福祉・家族・子育てなど〜』 講師:小島ブンゴード孝子氏 (ユーロ・ジャパン・コミュニケーション社代表) デンマークの歴史的背景、人生設計、福祉、高齢者の生き方、ボランティア活動な ど、広範囲にわたり、講師ブンゴード氏の生活を通し体験を交え、レジュメに沿っ てスライドとOHPを使用し講演頂きました。 ◎人生総まとめ「第三の人生」 デンマークは三段階 ◎なぜデンマークが福祉先進国になったのか? ◎だれがサービスをおこなうか? ◎いきいき高齢者の活動 ◎女性の自立と社会における役割 消費税25%(内税)と世界でも一番高いデンマーク。しかしこの税金が回りまわって、 必要な養育・教育費・福祉サービスなど大半はこの税金でまかなわれている国。 考え方、生き方など日本と比較することは難しいが、アンケートを見ると参加した 方々がこれからの何かヒントを得たように思われた講演でした。 また、ある男性出席者からは「デンマークの高福祉の裏に国民全員の協力と理解と行 動力があったことを知り素晴らしいと思い、日本でもいつかそれを目標に進んで行き たい。それには男・女の理解、特に男性の意識変革が必要となりそうだ」との感想・ 意見が述べられ、参会者の大いなる共感が得られました。
□ 第7回 2002年12月7日(土)14:00〜16:00 お茶の水女子大学共通講義棟1号館202号室 『育児の社会化と育児保険』 講師:山ア 泰彦氏(上智大学社会福祉学科教授) 次世代育成支援のあり方・育児の社会化といった論点の整理を試みた後、育児保 険構想を解説。育児保険のモデルとして「サービス中心の地域保険(介護保険)モ デル」「現金給付中心の国民保険(年金保険)モデル」「総合保険モデル」を提案 され、講師は総合保険モデルを推薦されました。 その後の質疑応答では、講師の構想への具体的な内容への提案や疑問 等について 活発な意見交換がなされ、女性の参加者からの発言が多かったこともあり関心の高 さがうかがえました。 □ 第8回 2003年2月1日 (土) 14:00〜16:00 早稲田大学7号館 219号室 『望ましいシニア像をモンタージュする』 講師:濱口晴彦氏(早稲田大学人間科学部教授・当学会理事) 今回は「望ましいシニア像研究会」の拡大版として位置付けられ、濱口講師のほか 研究会参加者数人も見解を披露する新しい形式で行なわれました。 先ず、濱口講師がシニア像をモンタージュするに当たってのベースとなる考え方を、 @シニアへのイニシエーションについて Aシニア化社会からシニア社会へ B老若共同参画社会の形をつくるために、の切り口で話が進み、その後各々実体験 と豊富なキャリアを持つ3人の会員から望ましいシニア像の提案が披露されました。 トップを切った大木壮次さんは、働き方アプローチの観点からシニアに望まれる働 き方の主張があり、次いで貴志義孝さんからは生活感アプローチの観点を、ご自身 が研究テーマとしている中高年齢者の社会的健康とスポーツとの関連の中で提案が なされ、3人目として、河西和彦さんはジェンダー・アプローチの観点から、母親 の遠距離介護の体験を基に、男性の介護に対する意識改革が必要であることの主張 と提言がありました。その後の質疑応答では、シニアの定義をどう考えるか、また シニアの社会貢献等について活発な意見が出され、参加者が当テーマに強い関心を 持っていることが浮き彫りになりました。◆第9回シニア社会塾
特別企画 “対話型 シニア社会塾” 〜〜新時代の望ましいシニア像をさぐる〜〜 第9回を迎えるシニア社会塾は、少し趣向を変えて会員の皆様との「対話」を主眼とし、パネルディスカッションとタウンミーティングの形をとることといたしました。 もうすぐ団塊の世代が60歳を迎えようとする今、50台の予備軍を含めた「シニア」のもつ影響力は計り知れないものがあります。人口の1/3をしめようとするこの人達がどうあるべきか・・・いや、どうあって欲しいのか、年齢・性別を超えて大いに語り合おうではありませんか。 既にこのテーマで早稲田大学・濱口教授のもと『望ましいシニア像研究会』が発足していますが、まさに時を得た議題として多くの皆様のご意見を伺えればと思います。奮ってご参加ください。 □日 時 : 2003年4月19日(土) 13:00〜19:00 □場 所 : 慶應義塾大学(三田)南校舎 5階 454号室 (港区三田2-15-45) 第1部 パネルディスカッシヨン (13:00〜15:30) 第2部 タウンミーティング (15:45〜17:00) 第3部 懇親会 (17:30〜19:00) <特別企画 対話型シニア社会塾の概要報告>
第9回シニア社会塾は特別企画として対話型の複合シンポジウムとし、4月19日(土)、風薫る慶応・三田の大教室に100名近いご参加を戴き、盛大に終了しました。
第一部は年齢、性別、立場を違え、バラエティーに富んだ会員の中のタレントに依るパネルディスカッシヨンで、コーディネーターの浜口晴彦さん(早稲田大学教授、運営委員長)の「望ましきシニア像研究会」にいたる想いを皮切りに刺激的な論議が展開されました。各氏のご発言要旨はごく簡単に後述します。
第二部は 袖井副会長(御茶ノ水女子大学教授) 和久井理事(さわやか福祉財団、渉外代表)
坂巻理事(淑徳大学教授)にご参加を戴き守永理事、事務局長のコーディネートによるタウンミーティング、会場の皆さんとの対話が弾みました。
○尾澤達也さん(資生堂顧問、60台) 「老後」はヒトのみに与えられた神様からのプレゼント。だから、1)邪魔をしない、2)自立する
3)自己実現する 4)人の役にたつ 5)若い世代との交流を図る、をモツトーに次世代へのエールを送つて行きたい。
○堀池喜一郎さん(シニアSOHO普及サロン三鷹代表理事、60台)
I、Tの活用から「ただならぬオヤジたち」の集団が出来上がつてしまつた。この人達の潜在能力は計り知れないものがある。世の中の変化で「支える側」にならざるを得ないこの人たちに、誰かがやつてくれる、という「受容型」の行動、発想がが多いのが気になる。次の社会を構築するサーバントリーダーの役割を次世代とともに果たして行きたい。
○辻 哲夫さん(厚生労働省 大臣官房長
50台) 生きがいとは世の為、人の為に尽くす「利他心」から生まれる。同様に真の自立とは社会との係わり合いからのみ生まれる。
心豊かなネツトワーク社会を目指して行こう。
○大熊宏子さん(パワフルエイジング研究会「新潟」、世話人
50台) 地域(地方)の高齢者は生涯現役、自然の中で生き生きと主体的に生きている。バリアフリーが必ずしも高齢者の為では無い。過保護に甘えないで、マスメディアに左右されない「自分なり」の暮らし方をすることが大事ではないか。
○榊原智子さん(読売新聞 編集局 解説部
40台) 人生90年時代のシニアの目標は「いつまでも若々しく生涯現役」か、未来世代をどう育てるか、若い人たちの活躍の場を塞がないで潔く道を譲り、企業や行政では限界のある社会活動などにシニアパワーを活かして欲しい。
(あとがき)
はからずも、シニアの「自立」と「次世代支援」がキーワードとして浮き彫りになつたように想います、「老害」にならない「生涯現役」、、望ましきシニア像のひとつの切り口かも知れません.。
(桂山記)
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◆第13回シニア社会塾報告 第13回シニア社会塾は、4月17日(土)14時から16時30分まで慶応義塾大学の南校舎425教室で14名が参加して開催されました。テーマは『対話型討論』「市民の出番です 市民公益サービスが社会を改革する」と題して、シニア社会学会理事・(財)さわやか福祉財団理事渉外代表の和久井良一さんを講師に迎えて行われました。 講座は単に和久井講師からの一方通行ではなく、出席者全員との対話が、和やかな雰囲気の中で行われたこと、及びレジュメの説明に加えて、全国各地で活動されている多くの事例をパワーポイントで紹介があったことにより、硬くとっつきにくいと思われた「市民公益サービス」ということばを、出席者は身近なものとして十分理解し得たものと思われます。 講師は、「市民公益」へのこだわりとともに、次世代がもっといい時代であって欲しいとする「孫世代」へのこだわりを切々と強調されました。 講義の中で、社会が求める時の流れとして「地域力」があること。市長・村長の考えが変わると地域は変わること。公益とは不特定多数の者の利益であること。この国の姿はみんなが不安を感じている、日本はこのままでいいのか。日本のあるべき姿は市民参加で地域は豊かになる。などの数多くのキーワードが示されました。そしてその実証として富山県、三重県四日市市、栃木県鹿沼市、千葉県流山市などの市民公益サービスの諸活動例が明快な写真で紹介されました。予定時間を延長して、出席者から問題意識が高く積極的な発言が多く出され、大変有益な会合でありました。 ◆第12回シニア社会塾のご案内 <徹底討論> 自衛隊のイラク派遣を考える イラクは米英両国による占領下で、今なお戦争状態が続いている。11月29日には、ついに日本人の犠牲者が出た。そうした中で、日本政府はイラクの復興支援、人道支援を大義名分にして自衛隊の派遣方針を決定し実行しようとしている。国民世論も参否両論あるなか、憲法9条の制約から、事実上の戦争状態の中に自衛隊を派遣することができるのか、という大きな問題も改めて浮上してきている。第二次世界大戦という大きな犠牲の上にできた、平和憲法体制下の日本がこれからどのように国際貢献の役割を果たしていくのか、ということが改めて問われる事態でもある。戦争の悲惨さを体験した方々が、イラクへの自衛隊派遣をどのように考えているのか。次世代を担う若者は戦争地域への自衛隊派遣という事態をどのように考えているのか。イラクへの自衛隊派遣をテーマに平和の問題について徹底討論を行います。 |
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●今後の計画・課題 学会員の定期的学習・交流の場として定着させ、有効なテーマによるタイムリー な開催(年4〜6回)を目指すとともに、地方での開催も検討していきます。 会員のみなさまからのご意見、企画についてのアイデア、提案を歓迎します。 | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
◆第11回シニア社会塾 「孫から、日本を変える‐‐2030年の日本」 〜〜木村尚三郎さんの講演とタウンミーティング〜〜 日 時 2003年12月20日(土)13:30〜16:30 子供を育てやすい、育てて良かったと思える社会づくりへの提言 少子化」は「高齢化」と同じくあるいはそれ以上に日本の将来にとって重要な問題で、シニア社会学会では「次世代育成支援こそがシニアの役割」との観点から、研究会で意見交換や討議をしてきました。一方、政府は今年3月「次世代育成支援対策推進法案および児童福祉法改正法案」を閣議決定しました。 今回は、第11回シニア社会塾の企画として木村尚三郎氏の基調講演を皮切りに、少子化問題への解決策を老若男女参加者の皆さんと一緒に考え、意見交換し提言しましょう。 |