JAAS News第93号をお届けします
シニア社会学会事務局 2007年7月11日
< もくじ > ページ
1.連続講座第4回のご案内 1
2.2007年度第6回総会・大会報告(基調講演・懇親交流会) 2-3
3.研究会報告とご案内 3
4.シニアニュース 3
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1.連続講座「人生100年時代をどう生きるか」(トーク&コンサート)・第4回
いくつになっても、生きいきとした自分の人生をまっとうする
~自立したシニア像を求めて~
坂巻 煕(社会福祉法人潤澤会理事長・元毎日新聞論説委員)
1.定年延長ハンターイ。2.老兵は死なず。3.豊かな社会の光と影と。4.構造疲労の社会システム。5.人生90年時代に備えて。6.高齢者の概念の見直し。7.“自立”した老いを迎えるために。8.“自立”って何だろう。9.男と女の“老いの覚悟”。10. 惚けない秘訣教えます。11. 高齢者で世直しをしよう。
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マーガレットアンサンブル(バイオリン①②・ピアノ・ビオラ・チェロ)の演奏
1.日 時 2007年7月13日(金) 午後3時~5時(開場2時30分)
2.会 場 (財)早稲田奉仕園 リバティホール
〒169-0051東京都新宿区西早稲田2丁目3-1. 電話番号: 03-3205-5411.
地図はこちら☛ http://www.hoshien.or.jp
3.定 員 80名
4.参加費 会員 1000円 一般 1200円
5.主 催 シニア社会学会・(財)早稲田奉仕園
6.後 援 (株)タムラプランニング&オペレーティング
7.申込み 参加ご希望の方は、FAXまたはE-mailでお申し込みください。
シニア社会学会・事務局 電話&FAX:03-5778-4728
(オープン:月・水・金)E-mail:jaas@circus.ocn.ne.jp
会員以外の方のご参加も歓迎いたします。
2.2007年度第6回総会・大会報告「基調講演」
前号に引き続き、6月14日(木)市谷日大会館で行われた総会・大会の報告です。
「基調講演」は、午前11時40分から正午まで行われ、講師のこれまでの研究・実体験に基づく具体的かつ臨場感のある内容は、参加者の心にしみる内容でした。
◆基調講演:「エイジング社会を健康で美しくー男性と女性でこんなに違うー
講師:坂田 壽衛氏(日本大学大学院教授・社会保険横浜中央病院名誉院長・医学博士)
日本大学大学院教授であり、産婦人科医でもある坂田壽衛先生より、日本の超高齢社会の現状から、医学的側面からみた女性と男性の違いについてお話をいただきました。日本人の出生率は2005年にはとうとう1.25にまでなってしまった。一方、日本人の65歳平均余命は、男72.3才、女77.7才である。女性は男性にくらべて長生きであるが、それは、性染色体の違いが影響しており、老化説には、DNAのメチル化が関係しているとされている。女性と男性の違いは、女性ホルモンの違いによるものであり、例えば、女性は基礎代謝が少ない、ストレスに強く、自殺は男性に多いなどが知られている。また、女性独自の病気もある。
寿命が延びた理由に児童の検診の普及がある。児童検診によって異常を発見することができる。赤ちゃんの脳の発達の第1期は、35週以降3歳までとされており、その後の4歳から10歳で大脳皮質の上に新しい脳ができる。子供の発達で3歳までがまず、重要な時期と言われている理由がここにある。性差とホルモンの関係のなかでは、アンドロゲンの作用が上げられる。現在、進めている研究に、3大生活習慣病の遺伝的素因を持っているのに、病気になる人とならない人がいるのはなぜかというものがある。近くNature誌にて発表予定である。
サクセスフルエイジングには、性差を考えることが大切。50歳~75歳は第3の年齢と言われている。自己の活力を開発していくという意気込みが肝心。血管障害、骨粗しょう症を予防し、動脈硬化、高血圧をコントロ-ルして、健康で活動性の高い人ほど知的活動力は高いことがわかっている。身だしなみを整えることをやめたり、料理への熱心さが失われることは、老化の兆候である。良性のもの忘れは進行しないが、痴呆による物忘れは進行する。病気は適当な薬剤の使用で健康を保ち、いつまでも知的活動力を失わないことが重要。(伊東 記)
□会員・大熊 宏子氏(新潟市)の感想
「エイジング社会を健康で美しく―男性と女性でこんなに違う―」という坂田壽衛教授の基調講演を興味深く拝聴しました。男も女も生物体として健康に老いること、健康寿命を延伸することなどをご自身の臨床経験を基に、具体的症例や性差による疾患の違いをわかりやすくお話されました。幸いなことに、私はXX染色体で生まれ、統計的には心筋梗塞や脳梗塞に男より罹りにくく、またストレスにも強く、危機には男よりサバイバル能力が高いらしい。自殺も男性が多く、肉体的のみならず、精神的にも長命を寿ぐには女性が有利とのこと、なんともうれしい限りではないか。子供を産み育てることが人類存続の為、否、生物すべて存続の為にメスとして安定した強さが遺伝子的に備わってきたのか? ところが、エストロゲンが不安定な思春期や更年期に、さらに老年期には、女性特有の疾患があるようだ。個人的には私は更年期がいつだったのか記憶にない。先生のお話しのなかで、胎児12週までの妊婦の服薬の注意とか、0歳~3歳までの記憶脳の発達時期、4歳~10歳の創造脳の発達時期、そしてエストロゲンやテストステロンの発達する思春期と人生の大事な時期の母・父そして祖母・祖父の役割の大きさを改めて感じました。
◆2007年度第6回総会・大会報告「昼食懇親交流会」
12:10から13:20まで、会員同士の交流のための昼食を兼ねた「懇親交流会」が開かれました。
□会員・岩瀬 孝氏(横浜市)の感想
当学会の総会開催日に行われている「懇親交流会」は、さまざまな分野の人びとと意見交換ができて有意義である。私は、ジャーナリストだからこの種の会合には出来るだけ参加して、人間関係を幅広く造るようにしている。こうした会合は年に20~30回ほどあってあらゆる分野の人びとと交流できるので、異なった価値観を学ぶ格好の機会であると評価している。だが参加者の殆どが男性であることは、日本の過去の雇用システムが男性中心であったことを反映している。先進諸国の懇親交流会は、参加者のうち40%程度は女性であって、日本の会合よりはるかに和やかである。私は、外国の特派員を3年間経験しているので、日本の男性ばかりの会合は、帰国直後は異様な光景に感じた。だが近い将来、人口の大幅な減少が推計されており、女性の労働力の価値は高まって、仕事と家事の両立条件が整った雇用システムに
替わってきて女性の会合への参加も徐々に増えて、ほかの先進国並になることを期待している。
□会員・橋口 栄彦氏(茨城県守谷市)の感想
初めて参加した私には、昼食時での懇親交流会は、新鮮で都合よくそして非常に有意義でした。私の住まいは茨城県、遠距離のため帰宅時間の負担を考えないですむことは有難いことでした。
個人対個人がふれあうこのような気楽でインフォーマルな交流の場が大切なことは言うまでもないことです。この貴重な時間と場を充実することが期待されます。例えば、初参加の人の自己紹介やテーブル単位での名刺交換や1分間スピーチなどの方法が考えられます。インフォーマルなふれあいが明日からのお付き合いのきっかけとなり広がって行きます。そのことが学会への親しみと更なる活性化に寄与するものと考えます。余談かもしれませんが、プログラム最後の「稲門グリークラブ・シニア合唱」に感銘を受けました。平均年齢73歳のシニア合唱に私は元気付けられました。趣味や志を一つにした仲間の存在が、シニアのQOLの向上に重要なことを、身をもって教えていただきました。有難うございました。
3.研究会報告とご案内
■第21回「老若共同参画社会」研究会開催報告
第21回「老若共同参画社会」研究会は、6月15日(金)早稲田大学高田牧舎2階人総研会議室で11名が参加して開催されました。テーマは、「シニアからの提言」小冊子作成作業についてのプロジェクトからの提案と討議でした。
■第22回「老若共同参画社会」研究会のご案内
第22回「老若共同参画社会」研究会は、7月20日(金)17時から19時まで、早稲田大学高田牧舎3階人総研会議室で行ないます。テーマは「シニアからの提言」小冊子作成に関連して、①海野和之さんから、シニアからの提言のワンフレーズ型命題についての提案 ②馬場守さんから提言の追加提案 ③荻野義雄さんから作表リポート報告 を予定しています。問い合わせ等のある方は、事務局当研究会担当の島村までお願い致します。 (島村 記)
■雇用における年齢差別研究会よりのお知らせ
本研究会では、昨年度実施しました「アンケート、フェイス・シート」の集計結果の概略を第1回目報告書として取り纏めました。会員の方で報告書を希望される方に送付させていただきますので、シニア社会学会・事務局宛にご連絡をお願いします。部数に限りがありますので、お早めにお申し込みいただければ幸いです。よろしくお願いいたします。 (黒澤 記)
4.シニアニュース
■エイジング総合研究センターによるセミナーのお知らせ
テーマ:大定年時代とシニアの社会参加
日時:平成19年7月23日(月) 10:00~16:30
場所:日本都市センター会館(平河町) 定員:200名 参加費:無料
申し込み FAX 03-3542-0362 または
http://www.jarc.net/notice.html
特別講演:「高齢者はどのように生きてきたかー江戸時代から現代」
鬼頭宏(上智大学教授)
分科会:シニアのためのワークライフバランス、シニアが取り組む環境問題、高齢者と若い世代が支え合う仕組みづくり、高齢者が高齢者を支える仕組みづくり、企業社会から地域社会への転身のすすめ。
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