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News第77号をお届けします シニア社会学会・事務局:2006.7.7 ------ 目次 ------ 1.7月22日(土)シニア社会塾シリーズ第3回開催のお知らせ 2.第5回総会大会、結果報告その2・シンポジウム報告 3.研究会の動き 4.シニアニュース ------------------------------------------ 1.シニア社会塾シリーズ第3回開催のお知らせ 「老若共同参画社会はどういう社会か」を基本コンセプトに、シニア社会塾のシリーズ展開が始まっています。 今回は、嵯峨座晴夫氏から、少産少死による高齢社会の老若共同参画の必然性を「生きがい」の観点からあきらかにして、労働参加、社会参加、世代間交流のあり方についてお話をしていただく予定です。 会員以外の、一般の方の参加も歓迎いたします。 講師:嵯峨座 晴夫氏(早稲田大学名誉教授) 演題:「少産少死と老若共同参画社会」 日時:2006年7月22日(土) 午後3時〜午後5時 会場:みなとNPOハウス 4階会議室 港区六本木4−7−17 地下鉄、大江戸線・日比谷線六本木駅6番出口・俳優座ウラ 定員:50名 参加費:会員1000円、一般1200円 主催:シニア社会学会 申込み:参加ご希望の方は、FAXまたはE-mailで事務局までお申し込みください。 FAX:03−5778−4728 e-mail:jaas@circus.ocn.ne.jp 2.第5回総会大会報告その2「シンポジウム報告」 前号に引き続き、6月5日(月)東京銀座東武ホテルでおこなわれた総会大会の報告です。 「シンポジウム」は午後2時から4時まで行われ、活発な意見交換もあり盛り上がりのあるものとなりました。 シンポジウム 仕事と私生活の共存を目指して 〜ワーク・ライフ・バランスを考える〜 コーディネーター □袖井 孝子氏(お茶の水女子大学名誉教授・当学会副会長) @働き方・家庭生活・地域社会、それぞれの見直しも大切だが、他人ばかりを批判しないで、各人が自分自身の生き方・考え方を変える努力が必要。A深夜営業のスーパー、24時間営業のコンビニ、時間指定の宅配便、便利すぎる世の中だが、そのせいで過酷な働き方をさせられる人も多い。B便利さに甘えるのではなく、不便さに耐える努力も求められているのではないか。 シンポジスト □麻田 千穂子氏(厚生労働省職業家庭両立課長) 行政は11年間にわたって育児・介護と仕事の両立支援策を考えてきた。これからは、@仕事専念という働き方の見直し。制度の整備と同時に、それを支える職場風土を重視すること。A育児・介護という特定の対象だけではなく、目的無限定の私生活にまつわるすべてのことを対象にする必要がある。B仕事と私生活の両立が経営上にもたらすメリットの周知が望まれる。 □龍井 葉二氏(連合・総合人権男女平等局長) 仕事以外の家庭・育児等、私生活にまつわる、あらゆる場面の補助者が存在する男性正社員を基準にした働き方のルールを変えなければならない。これを基準にすると、男性・女性にかぎらず2極分化が起きる。97年ごろから、雇用の問題が人事・労務担当から、財務の世界に移行した。短期のバランスシートの問題である。これを、長期の経営問題に戻さなくてはならない。 □森 まり子氏(東京商工会議所産業政策部労働担当課長) 商工会議所は、特別法に基づく特別認可法人で、市町村の商工会も含めると、全国で約8万の企業をかかえている。ワーク・ライフ・バランスの問題は、企業の規模にあまり関係がない。 むしろ、中小零細企業のほうが、やりくりがきいて、就業規則などにとらわれないフレキシブルな働き方ができるケースが多い。問題は、むしろ、従業員教育のほうにあるといえる。 □榊原 智子氏(読売新聞東京本社生活情報部・当学会理事) 少子化問題では、キャリアやパートに関係なく、30〜40代の働く女性が、表に出ない数字を含めると年に50万件に近い妊娠中絶を行っている現実がある。家事のほとんどが外部化されてくるなかで、昔は隣近所の地域社会みんなで共同保育されていた子育てだけが、完全に核家族の内部に閉じ込められている。心あるシニア世代が地域の子育て支援に乗り出すことを求めたい。 コメンテーター □佐藤 博樹氏(東京大学社会科学研究所教授) @働く女性の割合は、70年代前半の最盛期から5%しか増えていない。ひとり一人が求めるライフスタイルが成り立つかどうかが問題。少子化とはあまり関係はない。Aお互いがそれぞれのライフスタイルを求めて、お互いさまでカバーしあえる環境づくりが大切。B働き方の見直し。ホワイトカラーの場合、休む・働くというメリハリの効いた働き方の定着が肝心。 (以上 大島 記) ☆会員・三平武男(船橋市)さんの感想 シンポジストを厚生労働省、新聞社、連合、東商のそれぞれのワーク・ライフ・バランス関連組織に求めたメンバー構成のよさ、コメンテーター佐藤博樹先生・コーディネーター袖井孝子先生といった強力布陣、会場からは、笑いを伴い雰囲気を和らげる質問や沖藤さんに代表される鋭く厳しい質問と意見があり、これらに対して麻田さんはじめ各シンポジストが的確な回答で応じたこと等々、どの面もとてもよく満足であった。個人的には、榊原さんの「科学進歩は家事を外部化しワーカーの負荷軽減に寄与したが、社会環境は子育てを内部化し、その結果昔と比べて子育ての苦労が増している現実がある。ジジババはもっと子育てに参加すべし」との言葉に、自分のことだけに多くの時間を使っている現状を反省せよ、と指摘された思いで刺激を受けた。 ワーク・ライフ・バランスは、個人の価値観、個人のライフスタイルに依存すると思う。従ってこれを論じるには“自分のありたい人生”がしっかりデザインできていることが大前提であろう。この大前提を一人一人がいかに確立するかの視点も忘れてはならないと思う。 3.研究会の動き ■雇用における年齢差別研究会 6月の研究会は、6月19日(月)18:30〜20:00 慶應義塾大学で7名の研究会員出席のもと開催しました。今回は本格的アンケート調査のための最終確認、今後のスケジュール調整を中心に実施しました。その結果、@送信用封筒のバーコード入り宛名印刷が承認され、宛名印刷を開始することとなりました、Aアンケート挨拶文の一部訂正、Bアンケート用紙に研究結果資料希望団体のための項目追加、という修正がなされ最終承認がされました。また、アンケート調査の実施予定は7月15日アンケート発送、8月10日回収に向けて各種作業を進めていくこととなりました。次回の研究会はアンケート発送作業となります。(黒澤記) ■老若共同参画社会研究会 第10回研究会は、6月16日(金)早稲田大学で20名が参加して開催されました。テーマは、駒宮淳子氏による「シニア世代の『地域デビュー』支援事業を考察する〜市民活動インターンシップの事例を通して〜」と題しての発表と問題提起でした。活発な質疑応答の後、濱口座長から総括がありました。第11回研究会は、7月21日(金)17時から19時まで、早稲田大学高田牧舎2階人総研会議室で行います。 テーマは、講義「高齢者のQOLと社会参加について」のタイトルで、高橋俊彦氏にお話しいただきます。参加希望、お問い合わせ等のある方は、事務局当研究会担当の島村まで。 ■社会保障研究会 第20回研究会は2006年7月5日(水)18:00〜20:30お茶の水女子大学に於いて講師:結城康博氏(社会福祉士・政治学博士)テーマ:06年医療制度改革を考える〜政策決定過程からの分析〜で開催されました。10名の方が参加され結城氏の幅の広い情報に基づく興味深く且つ極めて分かり易いお話を頂いた後、参会者の活発な意見の交換が行われました。第21回研究会は9月に開催されます。詳細が決まりましたら改めてお知らせ致します。8月は開催されませんので、お間違いになりませんようにお願い致します。(森健 記) ※その後変更があり、8月は下記のとおり開催あされることとなりました。 日時 8月2日(水) 18;00〜20;00 場所 お茶の水女子大学 生活科学部本館315号室 提言者 石黒 謙(愛媛大学大学院教授 医療情報学) テーマ 医療制度改革について ■NPO法人「ユニバーサル・デザイン・スタデイ・結い」(UDS結い)研究会 次回定例会は7月19日(水)午後6時半から原宿アエカ事務所で行います。参加ご希望の方は、事務局長・吉田まで。 TEL:03−3479−2020、FAX03−3479−2001 、e-mail:aeca@sage.ne.jp 4.シニアニュース ■アンケート返信のお願い 6月5日(月)のシニア社会学会総会大会での事例研究の発表者、福元公子さんからのお願いです。当日、福元さんは、「成年後見制度」について発表されました。そのときに配布した資料にアンケートを返信用封筒とともに同封したとのこと。事例研究発表に参加された会員の方は、もう一度資料の中身をご確認いただき、アンケートにご協力いただきたくお願いいたします。またアンケート用紙が同封されていなかった場合には、福元さん宛にメールかFAXでご連絡下さい、直接福元さんから送付します。「成年後見制度」を研究するための基礎的資料としたいとのことです。連絡は下記までお願いいたします。 福元 公子 〒194-0003 東京都町田市小川2-5-9 TEL・FAX :042-796-7184 e-mail : k-mayone@f02.itscom.net |