JAAS News第70号をお届けします。
シニア社会学会・事務局:2006.1.11. -------目次------- 1.福原会長年頭挨拶 2.「高齢社会をよくする女性の会」朝日社会福祉賞を受賞 3.「日経ビジネス・新春特大号」に坂巻熙さんの活動が掲載 4.お茶の水女子大学21世紀COEプログラム講演会 5.「エイジレスフォーラム」第4号 【会員の声】原稿募集 6.研究会の動き --------------------------------------
1.福原会長・新年のご挨拶
新年あけましておめでとうございます。シニア社会学会会員の皆様には新たな気持ちで2006年の新年を迎えられたことと思います。心よりお慶び申し上げます。
日本の景気も、際立った実感には乏しいものの、踊り場を抜け、2002年初頭以来の回復基調は衰えず、戦後最長の「いざなぎ景気」越えも視野に入りつつあります。
しかしながら、わが国は人口減少の現実を迎えた一方で、建築物耐震強度偽装、幼児・子供の誘拐・殺人事件等に現れているように、日本社会のモラルや安全システム自体が揺らぎはじめ、また、ニート、フリーターの増加などによる社会的軋みがますます大きくなってきていることも事実です。
これからは、戦後、一貫して追い求めてきた「個々人の生活の豊かさ」から「よりよく生きる」「より美しく生きる」への価値観のシフトにもとづいた経済社会制度の再構築を急がなければなりません。確実に高齢化が進行する社会の中にあってだれかに、何かをしてもらう仕組みから、個々人の自立と多様な活動に信頼を置いた「自助」「共助」の仕組みへの転換です。 英国の元首相チャーチルは、
“We make a living by what we get,but we make a life by what we give.”(何かを得ることで暮らしてゆくことはできる、しかし、人々に何かをしてあげることが、人生というものである)と言っていますが、これから、私たちに求められるのは、「暮らし向き」(living)ではなく「生き方」(life)ではないでしょうか。
私も、資生堂の経営理念の中に、美しく年を重ねて生きるという「サクセスフル・エイジング」の概念をとり込み提唱し現在まで様々な活動を行ってきました。その中で、個の幸福と社会全体の幸福を実現するシステムはいかにあるべきかを考え続けてきました。
私的な幸福追求も、もともとは公的な幸福を前提としたものであり、21世紀型幸福の追求とは、志のある市民がイニシアティブをもった誰もが暮らしやすい社会を作り上げることだと考えています。
いま、シニア社会学会は「老若男女共同参画社会の実現」をテーマに、諸問題に取り組もうとしています。現在5つの研究会がありますが、各研究会が具体的な成果をまとめ、社会へ発信することを期待しつつ、同時に新しい課題を探り必要に応じて新プロジェクトを立ち上げていくことも視野においています。シニア社会学会は、社会のシステムを考え直すことのできる頭脳とその実践を志向する経験・知性豊かな人材を多数擁する知的集団であります。
今年は「行動する学会」として、社会に対して様々な局面で発信をし、シニア社会学会の存在感をアピールしていくことを目指したいと思っています。会員の皆様の積極的なご支援ご協力をお願いいたします。
2.「高齢社会をよくする女性の会」朝日社会福祉賞を受賞
当会の友誼団体「高齢社会をよくする女性の会」(理事長・樋口恵子さん、当会理事)が2005年度の朝日社会福祉賞を受賞されました(朝日新聞2006/1/4)。「女性の会」は4半世紀前に全国のネットワークをつくって高齢社会の問題を内外に発信、高齢者の介護を社会全体で支える政策提言などをしてきたことが評価されたとのことです。「女性の会」の副理事長として、当会の副会長・袖井孝子さん、理事運営委員の沖藤典子さんが参画されています。
3.「日経ビジネス・新春特大号」に当会理事運営委員・坂巻熙さんの活動が掲載
日経ビジネス・新春特大号(2006/1/9号)の特集「2006年冬景色―財政危機・老齢化、ニッポンの覚悟」に、当会理事運営委員・坂巻熙さんと奥様の潤子さんの活動が紹介されました。
岩手県の知的障害者施設「ワークステーション湯田・沢内」は4年前お二人の力で立ち上げられ、潤子さんが施設長として活躍されています。様々のアイデアを出して運営・維持をなされていることが「退職金で障害者と夢を・志して声を上げた個人の活動」として紹介されています。
4.お茶の水女子大学21世紀COEプログラム講演会のお知らせ
参加費は無料で、申し込みの必要もありません。多数の方々の参加をお待ち致します。
講演内容:バイオエシックス・最前線 あなたの「いのち」は誰のもの?―ヒトゲノム解析から尊厳死まで。講師:木村利人、早稲田大学「生命医療・法と倫理研究所」顧問、
司会:袖井孝子、日時:2006年2月17日(金)17時〜19時、場所:お茶の水女子大学 生活科学部本館3階306室
5.「エイジレスフォーラム」第4号 【会員の声】原稿募集
シニア社会学会の機関誌「エイジレスフォーラム」第4号(2006年度版)に会員の皆様の思いを綴っていただく【会員の声】を募集致します。応募要項=文字数:600字〜800字。テーマ:常日頃考えている事・ご自分が活動している事の紹介など題は自由です。
締切り:1月末日。原稿は出来るだけ、事務局宛メール添付でお送り下さい。どうしてもという場合は手書きでも可能です。担当:編集委員 事務局 武者まで。
6.研究会の動き
■雇用における年齢差別研究会
12月15日(木)18:30〜20:00に慶應義塾大学にて清家座長以下4名で開催。アンケート内容の最終承認、アンケート実施上の予算案・対象先の検討および会員報告書のテーマについてのフリーディスカッションを行った。その結果、アンケート対象先は会員の研究テーマ別希望リストを各会員にリストアップしてもらい、次回研究会で検討することになった。
1月の研究会は1月19日(木)18:30から慶應義塾大学研究室棟4階446会議室で開催します。 (黒澤記)
■老若共同参画社会研究会
第4回研究会は、12月16日(金)早稲田大学にて22名が参加して開催されました。
テーマは、「エイジング」について尾澤達也氏(当会理事)の講義でした。「美しく年を重ねるーサクセスフル・エイジングに向けて」のタイトルで、スライドとVTRにより解説がありました。
質疑の後、濱口座長から、エイジングには心と愛の問題が大切であり、愛は社会レベルで考え、いま再構築すべき時であると総括がありました。なお、研究会終了後忘年懇親会を催しました。
第5回研究会は、1月20日(金)15時30分から17時30分まで(開始時間が変更になっていますので、ご注意ください)、早稲田大学高田牧舎2階人総研会議室で行ないます。
テーマは、@講義「エイジング」について(そのU) 講師:尾澤達也氏 A提言「当研究会に対する意見具申」 馬場守氏です。
参加希望の方、その他お問い合わせ等のある方は、事務局当研究会担当の島村まで。初めて参加の方大歓迎。多数の方の参加をお待ちしています。
(島村記)
■社会保障研究会
第15回社会保障研究会は、12月14日(水)講師に結城康博氏(社会福祉士・ケアマネジャー「新宿区役所勤務」)を迎え、テーマ:「介護保険法改正へむけての取り組み」場所:お茶の水女子大学にて開催されました。10名の方が参加され、結城講師が実際のご体験を通じての極めて分り易いお話を頂いた後、参会者の活発な議論が行われました。
第16回研究会は講師:浜田陽太郎氏(朝日新聞記者)テーマ:「記者の目から見た医療制度改革」1月25日(水)18時から20時お茶の水女子大学生活科学部本館315号で開催します。 (森健記)
■ユニバーサル・デザイン・スタディ研究会(UDS)
NPO法人の申請中、1月には認可見込み。12月23日には新宿区・日本を美しくする会の呼びかけで、朝6時から新宿歌舞伎町などの清掃に参加。800人が参加。安全な町づくりには清潔さが大切だと痛感した。
1月例会は1月11日(水)18時から原宿アエカ事務所で。 (井上記)
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