JAAS News第58号をお届けします。
                                  シニア社会学会・事務局:2005.3.18.
    ・・・目  次・・・
 1.「団塊の世代の定年が日本を変える」
     4月16日シニア社会塾開催
 2.研究会の動き
 3.新刊書紹介「シニアのための国際協力入門」
 4.シニアニュース
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1.シニア社会塾を4月16日に開催します。
        テーマは「団塊の世代」、講師は加藤仁氏

これからざっと2年の後、第二次大戦後のベビーブーム第一期に出生した、いわゆる「団塊の世代」が次々と定年になる段階を迎えます。
これより先の先輩世代にくらべて、この世代は戦後60年間の成長していく節々で、さまざまな話題を提供してきました。そして、柔軟な生活感覚と多様なライフスタイルをもっているため、この世代の地域社会復帰は私たちの国のあちこちにかなりのインパクトをもたらすことが予想されます。
これまでの日本では、企業社会が「主」で地域社会が「従」、職業が「主」で生活は「従」といった関係図式で語られることが多かったと思います。近年、個人生活の価値のウエイトが高まってくるにつれて、むろんこれまでの図式が少しづつ変わってきているのも事実です。
この点に関して、団塊世代の定年と地域社会復帰は、全国の地域社会に多彩な個性を持ち込み、活性化することに貢献するという期待もうかがえます。
シニア社会塾ではこの団塊世代の生き方をテーマにし、ご自身がこの世代に属する加藤 仁氏にお話しいただきます。氏は現在発売中の「文芸春秋」4月号の団塊世代特集でも、「定年革命」という表現で興味ある論陣をはっておられます。
会員以外の方も歓迎しますのでお誘い合わせの上、多数の皆様のご参加をお待ちしています。

● 日時:2005年4月16日〈土〉 14:00〜16:30
● 講演:「団塊世代の定年が日本を変える」(1時間)
  講師:加藤 仁氏(ノンフィクション作家・当学会理事)

● 加藤氏を囲むパネルディスカッション (団塊世代の会員たち)
    コーディネーター:当学会事務局長 守永 英輔氏
● 会場:慶応義塾大学(三田)・南校舎425号室(2階)
● 参加費:1000円 お申し込みは事務局へFAXまたはE-mailで

2.研究会の動き
次世代育成支援研究会
3月10日(木)18:00〜、NPO法人ワーカーズコレクティブめーぷるここ理事長 小泉恵子氏をお迎えして、テーマ「多世代交流の大切さと夢」ついてお話を伺いました。
2005年4月から横浜保育室認定を受ける保育室「めーぷる」は都筑区にあり、0才〜2才児を対象としている。都筑区は平均年齢34.5歳と子育て真っ最中の若い親たちが沢山住居する町である。
めーぷるここのメンバーは30代、40代の子育てに様々な経験を持っており、保育事業だけでなく、子育て支援活動として地域に広く開かれた場として、講習会、講演会、など世代間の「知恵」の交流を行なっている。活動現状と今後の活動計画等について伺った。
2005年度の当研究会は、毎月第2木曜日に開催。第1回は4月14日(木)18:00〜20:00、会場は子育てひろば「あい・ぽーと」(南青山)、テーマ「男の育児休業」を予定しています。新しく参加される方、歓迎します。事務局にご連絡ください。 (武者記)

望ましいシニア像研究会
第25回「望ましいシニア像」研究会は、3月11日(金)早稲田大学高田牧舎2階人総研会議室で23名が参加して開催されました。
今回は参加者の報告書第2号誌への掲載論文の提出がありました。濱口座長のコメントとして、各人の論文は、これまで24回に及ぶ研究会のエネルギーの燃焼であり、5月の発行が待たれると共に、成果が期待できると思うと述べられました。大島編集長から、総ページ数がかなり増えておりこれの調整と、提言全文の英訳文の作成が大きな課題であると報告がありました。
次いで当提言書の有効活用と話題づくりについて意見交換が行なわれ、このテーマについては、次回研究会においても引き続き論議することになりました。なお、今回は2名の初参加者がありました。 
次回は、5月20日(金)17時から早稲田大学高田牧舎2階人総研会議室の予定。テーマは、当日報告書が配布される予定ですが、完成した提言書の有効活用と話題づくりについての意見交換を行います。お問い合わせ等は、事務局当研究会担当の島村まで。 (島村記)

ユニバーサル・デザイン・スタディ研究会(UDS)
3月8日(木)午後6時30分から、セミナープラザ東中野で、吉田氏ほか10名が参加して開催されました。「上野地区トイレガイドマップ」については2回目のラフ原稿が出来上がり、提示されました。今月中の完成を目指しています。また、各担当者から、マップ配布依頼、協賛広告などのための企業回りには、意外に時間がかかっているとの報告もありました。
次回は4月12日(火)午後6時30分からセミナープラザ東中野で予定しています。(大野記)

雇用における年齢差別研究会 
研究会を2月23日に慶応大学三田構内で開き、企業宛のエイジレス指標調査のプレ調査として28社を選び、回答を3/25(金)必着で実施することを決めました。調査結果は6月の総会に向けてまとめる予定です。     (鈴木記)

3.新刊書紹介
「シニアのための国際協力入門」いきいきフォーラム2010編(明石書店、税込み2520円)
グローバリゼーションの進展が著しい現在、国境を越えて地球規模で解決しなければならない問題が山積している。
当学会会員・川橋幸子氏が理事長をつとめる「NPO法人いきいきフォーラム」が、シニア世代だからこそできる社会貢献の道として、豊かな経験と人脈、教養と活力を国際協力活動に活かすべきであると説いている格好の入門書。緒方貞子・国際協力機構理事長のインタービューや海外ボランティアの経験談も収録。          (都築記)

4.シニアニュース
■福祉住環境コーディネーター協会主催の講演会&タウンミーティング
介護も含めたこれからの住環境のあり方を考える講演会とタウンミーティングが4月9日(土)13時〜16時40分 神奈川県近代文学館ホール(横浜市中区山手町110 
TEL:045-622-6666)で開かれます。
当会理事・吉竹弘行氏が講師として「集合住宅の住環境整備のポイント」について講演し、パネリストとしても出演します。
申込みは、福祉住環境コーディネーター協会(千代田区丸の内3-2-2 東京商工会議所ビル3F 〒100-0005 TEL:03-3283-7480 FAX:03-3283-7488)へ郵送またはFAXで。

■戦没画学生の遺作展「遺された絵画展」を観て
長野県・上田市にある「無言館」に収蔵されている戦没画学生の展覧会があり、従兄弟を特攻で失くしている私は60余年振りに会う思いで観に行く。全て20-30代の若者で、全員戦地で戦(病)死している。妻や姉妹・祖母・母を描く。仲の良かった兄弟の遺作あり。「あと五分、あと十分この絵を描かせてくれ・・・」と叫んで出征した彼等。軍事郵便による家への便りには画材は還るまでそのままにしておけとの訴えあり。大勢の人が参観していたが、会場は静かで夫々の感慨と追憶に浸っていた感あり・黙祷・・・。
「遺された絵画展」東京ステーションギャラリー(3月21日まで)             (鈴木記)

《 編集後記 》
・編集子の住む東京郊外もマンションブームでコブシの群生地が殆ど姿を消した。それでも残り少なくなった梅林から漂ってくる香りが春の訪れを感じさせてくれる。今年は花粉大発生、花粉症に悩まされている方も多い。備えあれば憂いなしとは言うものの、こればかりは・・・お大事に。
・少子化や団塊世代の大量定年退職を控え、久々に来春の新卒採用が大幅増加見込みとか、経験豊富で元気なシニアの働きの場ももっと増えていいと思うのだが・・・。 (都築記)