JAAS News第55号をお届けします。
         シニア社会学会・事務局:
2004.12.22

1.シンポジウムIN仙台
シニア社会学会が初めて地方企画として開催した『シンポジウムin仙台「これからのシニアに期待されるもの」』は、1121()13時から1530分まで仙台駅前のメトロポリタンホテルで54名が参加して行なわれた。総合司会の袖井副会長から冒頭に、少子高齢社会を迎えた今日、高齢者は受益者に止まらず、支える側に回ることが大切であると提言があった後、濱口運営委員長・「望ましいシニア像研究会」座長から「望ましいシニア像を求めて」と題する基調講演があり、キーワードとして「シニアは自己のテクノロジーを如何にして作り、内在させることができるかが大切である。」と主張されました。引き続き、5人のパネラーによる発表が行なわれ、5人の中、2人は東京から、3人は地元仙台の方でした。大島洋氏(会員)は、今の時代、社会は階層分化が進んでおり、油断しているとシニアにシワが寄せられると言いたい。シニアはまとまって大きな声をあげるべきであると主張、大木壮次氏(会員)は、望ましいシニアは生きがいを感じながら生きるシニアであり、生きがいを感じる場は多様化しているが、弾力的な対応が必要であると話し、石森浩一氏(非会員)は、自費出版をテーマに、いま自費出版はシニアの生きる一つの手段となっており、自費出版する人は皆大変元気であると発表され、高橋伸悦氏(非会員)は、東北農政局の経営課長として、高齢者対策を担当している立場から、農業の実態を遠野市綾織町の例などを踏まえながら報告され、農業の実態はシニア社会そのものであると強調、渡辺省三氏(会員)は、数年後には団塊の世代500万人が無職になると言われている現実を見る時、終戦時に行なわれた三つの事実が、今の時代にも置き換えて考えられるのではないかと主張されました。最後に、会場の参加者からの活発な質疑応答で盛り上がりました。結びとして袖井氏から、シニアの問題は都市に住むサラリーマン、特に定年退職者の問題ではないのかと思ったこと。そしてシニアは決してくじけてはいけないと思うと締め括られました。(島村記)

シンポジウムIN仙台奮戦記  
紅葉の中、若い男女も含め54名が参加した討論会が1121日に仙台で催された。東京以外では初めて。秋にしては暖かい日和で一般討論に40分をかけ会場の参加意識を重視した延べ2時間半のシンポジウム。討論の内容は上述のとおり。ここでは、開催までの経緯を報告し、今後の地域開催の参考にしていただけたらと思う。本部との連携の中で、仙台にいる運営サポーター渡辺の役目は、主に集客だった。  
<集客>は、当学会団体会員NALCとNPOあかね、更に市役所・ハローワークなどを訪問し参加を呼びかけたり、地元の新聞河北新報の報道部に「ニュース提供しますが・・」と突撃電話し掲載され、それを読んだ読者が多数参加した。学会本部の呼びかけで東京から12名参加、在仙会員や好々爺七福人の面々、討論者の石森氏、高橋氏も集客に協力してくれた。 
<下ごしらえ> 集客の依頼を受けて、白紙の状態から動きだした訳ではない。ずっと以前から家族や会社を超えた活動を願って工夫していた。また、学会の仙台分会をすでに三回催している。各地の方々に願うことは、いま出来ることを今やることだ。するとそれが次への下ごしらえになる。例えば 自分の思いを記録する。するとネットの各掲示板へ発信したくなる。口コミで学会の宣伝をする。すると、5人でも7人でも会合を持ちたくなる。会合を持ったら記録をつける。すると問題の焦点がしぼれてくる。こうして、次から次へと工夫の連鎖が起こり日々がたのしく、知恵がたまっていくのである。   (報告 渡辺)

2.研究会報告
◆次世代育成支援研究会 20051月度研究会のご案内
日時:2005113日(木)18:00〜20:00
会場:南青山「あい・ぽーと」東京メトロ「外苑前」下車1b出口
講師:山田 麗子氏(遊育UIKU編集長)
テーマ:「地域における幼保一元化の動きについて」
どなたでも参加できますので、初参加の方もお誘い下さい。

◆社会保障研究会
第4回社会保障研究会は121 お茶の水女子大学において、内閣府参事官の増田 雅暢氏を講師として開催しました。テーマは「少子化の現状と課題―少子化の流れを変える」。出席者は20名。
次回は、日時:
05119日(水)、18:00から、講師:井原 誠氏(社会保険労務士)、タイトル:「最近の年金相談事例について―誤解の多い点」、場所:お茶の水女子大学生活科学部本館315室にて開催。

◆「望ましいシニア像」研究会
22回研究会は、1210日、早稲田大学で23名が参加して開催。テーマは濱口座長が合宿研修会での討議内容を項目別に集約された、来春、発行予定の第2回研究会報告書の巻頭を飾る「シニアからの提言」の説明と意見交換。
次回は
114日(金)17時から、早稲田大学高田牧舎2階人総研会議室で、引き続き、同提言の補足説明と討議。なお、今後、報告書作成は編集委員により進められます。

◆ユニバーサル・デザイン・スタディ研究会(UDS 
1218:30から、六本木「みなとNPOハウス」2階会議室で、吉田氏ほか8名が参加して開催。「上野地区UDトイレMAP」の作成に関して、サインデザイン会社アール・イー・アイ社を訪問調査して検討の結果、資料を整理して台東区役所向けの企画書を作成する、来年春休みの行楽シーズン前に印刷する、予算捻出のために上野地区各企業の協賛金獲得にチャレンジすることなどを決めました。次回は、1月13日(木)、時間、場所は同じです。

◆雇用における年齢差別研究会
年内最後の研究会を1220日に慶応大学内の会議室で開催しました。今回は、企業のエイジレス度調査票のテストとして、研究会参加者の及川 彰氏の会社についてシミュレーションを試行して、調査票内容の再吟味をやりました。次回は、事前調査対象企業の選定と調査依頼資料の検討を行い、本調査の準備に入ります。次回開催予定日は、現在のところ未定です。日程調整のうえ、次号でお知らせします。

編集後記◆
事務的な連絡ばかりで、編集担当者の肉声が聞こえてこないという声をいただき、この欄を今号より新設しました。今後、編集の苦労話や困っていることなど、そのままお伝えしてゆくつもりです。ご愛読のほどを。さて、東京以外では、はじめての当学会主催の「シンポジウムin仙台」が盛況のうちに終わることができました。これもひとえに、渡辺さんをはじめ、仙台の会員・非会員の皆様方のご尽力の賜物です。有難うございました。
暮夜、ひとりパソコンの画面に向かって四苦八苦していると、まさに「あやしうこそものぐるほしけれ」という心境です。自然災害に明け暮れた今年もあとわずかとなりました。会員の皆様、どうぞ良いお年をお迎えくださいますようお祈りいたします。          (大島記)