AAS News第121号をお届けします 
              シニア社会学会事務局 2009年8月3日

JAAS News第121号をお届けします

<もくじ>

1.第8回大会「会員による活動事例・研究発表」要旨         1
2.    同上  会員による感想                1
3.研究会開催のご案内                      2
4.2009年連続講座『熟年世代の夫婦論』の参加者募集      2
5.会員の皆様にお奨め「ブログを作ろう」講座に参加しよう!  
6.シニア社会学会法人化に向けてワーキング・グループ発足     3

1.第8回大会「会員による活動事例・研究発表」要旨
(1)「シニア地域参加促進のパラダイム転換」
        〜プロダクティブエイジング論、実践方法研究とその効用〜
        堀池喜一郎氏(当学会理事、(NPO)シニアSOHO普及サロン・三鷹
             顧問、滋賀県立大学非常勤講師)


いまだ十分とは言えないシニアの社会参加促進は、@アクティブシニア、A2007年論(団塊シニア)の不発、B多様なシニア像、という3つの視点からのアプローチが基本と考える。すなわち、弱者としての古い加齢モデルから健康で新しい働き方をベースとする新しい加齢モデル(アクティブシニア)の構築と共有。さらには団塊世代論の失敗からシニアを十把一絡げな“マス”として括るのでなく様々な事例を現場レベルで検証(ex.シニアSOHOCB事例との比較)。現状で見えてきたことはダイナミックな“個性ある個人”であり、“多様”なシニア事例であった。
これらの研究と結果(知見)から、次のステップとして「アクティブシニアの課題とシニア社会学会の取り組み」という提案に繋げたい。例えば、ツールとしてのICT活用をベースに会員活動をWeb上で「見える化(ブログポータル)」するプランを考えている。

(2)「中国の「社区」とシニアの社会活動」
       陳 冬青氏(日本上越大学大学院生活健康系、中華老齢事業促進会、
           日中社会学会会員、新潟在住)


近い将来、中国でも人口の高齢化傾向は避けられない。一方で生活の近代化は家族扶養機能の低下をもたらし、高齢者を家族扶養(私的扶養)で支えることが困難になってきている。従来の住民の地域生活は行政や職場をベースとした「単位」が基本であったが、市場経済導入後は住民を主体とした「社区」(英語圏のcommunity)社会へ実態は移行しており、治安や福祉と同様、高齢者への対応も「社区」が大きな意義をもつに至っている。現状、両者はまだ併存しており、システムとして様々な問題も抱えている。
高齢者の扶養について、私的扶養が弱体化し、社会扶養への依存も充実が必要であるが、従来の「単位」と新しい「社区」の関係(権利と責任)がまだ安定していない現状には多くの問題がある。しかしながら、実態として高齢者にとっての「社区」は“第二の生活空間”であり、生活面(QOL)から考えても高齢者に対するサービス体制整備は「社区」の強化が有効と考えられる。日本と同様、中国は儒教の国であり、共通する背景や相互理解可能な側面を多く持つことが考えられるため、今後の情報交換や研究の共同作業に繋がることが期待される。

2.会員の感想(会員による活動事例・研究発表) 小林 美代子氏(新潟市)
堀池喜一郎氏による「シニア地域参加促進のパラダイム転換」は、支援される立場の高齢者から、新しい働き方へという考え方で、ご自分の体験を理論化しながら、シニアの社会参加促進を提案された。シニアの自立がITを使うことで活動するシニアになれるだろうし、その上でシニアの地域参加と貢献を考えていきたいと発表された。大学院生の陳冬青氏は「中国の“社区”とシニアの社会活動」と題して、中国のコミュ二ティー問題の研究を発表された。家族の変動・多様化で、親孝行を基盤とした中国の家族扶養は、中国の高齢者の扶養方式を社会扶養、集団と“社区”サービスが同時的に存在する状態となった。一定地域の範囲内に住む人々によって構成される社会生活の共同体と定義される“社区”は、中国の歴史から生まれた言葉であるが、地域住民の帰属意識を基に、シニアを含む人々の共同・共働による多様なサービスの提供により、シニアのウェルビーイングを高めている。

3.研究会開催のご案内
◆第34回 社会保障研究会 (座長:袖井孝子当学会会長)
研究会の終了後、暑気払いの呑み会・交流会を予定しております。
  時:86日(木)18:時〜
 所:高齢者生活協同組合会議室(前回と同じ) 豊島区池袋3-2-1 光文社ビル6F
           最寄り駅 : 東京メトロ要町駅 5番出口 徒歩3分、JR池袋駅西口 徒歩10
報告者:林 葉子(お茶の水女子大学ジェンダー研究センター 特任リサーチフェロー)
テーマ:夫婦間介護の現状と課題
参加ご希望の方は、メールまたはFAXで、前日85日迄に事務局宛ご連絡下さい。

第4回「自立と共生の社会学」研究会
濱口研究会の新シリーズ「自立と共生の社会学」研究会は、7月17()14名が参加して、「正規雇用―非正規雇用を超える働き方」のテーマで大木壯次さんの発表と意見交換が行なわれました。
4回研究会は、下記の通り開催されますので、多くの方の参加をお待ちしています。
(1)   日時 :918()17時〜19
(2)   場所 :早稲田大学高田牧舎2階人総研会議室
(3)   テーマ:発表―@荻野義雄さん「第1章 自立と共生のかたちを構想する」
         A永井治さん 「第2章 パーソナルな関係における自立と共生」
(4)   その他:研究会参加費として300円を徴収させていただきます。

参加ご希望の方は、メールまたはFAXで事務局までご連絡ください。
お問い合わせ等は、事務局島村までお願い致します。

4.2009年度連続講座『熟年世代の夫婦論』の参加者募集
本年(2009年度)の連続講座の参加者募集をしています。参加は各回ごとに自由にお選びいただけます。昨年同様、6回全講座の一括申し込みも割引参加費にてお受けします。
2009年度シニア社会学会・連続講座参加者募集(ケーキ、コーヒーor紅茶付き)
(1)全体テーマ:『熟年世代の夫婦論』 〜人生の午後をどう生きるか〜
  各回テーマと講師
 ・第1回 2009926()「いま、なぜ中高年夫婦が注目されるのか」(袖井孝子)
 ・第2回 20091017()「夫婦で創る定年後ライフ」(加藤 仁)
 ・第3回 20091114()60歳からの夫婦の家」(天野 彰)
 ・第4回 2009125()「団塊夫婦の地域福祉実践」(川村匡由)
 ・第5回 2010116()「安心の老後設計」(榊原節子)
 ・第6回 2010213()「後悔しない人生のフィナーレ」(吉田太一)
(2)場 所 :東京銀座・資生堂 9Fホール
(3)開催要領:各回とも、14時〜16時の開催。募集人数は最大45名。
 各回の参加費は、会員2500円、非会員3000円。
 6回分一括前納の場合、会員12000円、非会員15000円。(参加証を発行)
 (一括前納の申し込みは、911日(金)までの受け付けとなります)
※お申し込みは、@氏名、A参加の講座、B連絡先を明記し、eメール、FAXで事務局まで。
※参加費は、当日、会場にてお支払いください。
   (6回分一括前納は事前のお振込をお願いします)

※今後とも各回ごとにJAAS Newsなどで随時お知らせいたしますが、ご家族やご友人などにも お声掛けをお願いいたします。多数の方のご参加をお待ちしております。
                           (事務局担当 鈴木)

5.会員の皆様にお奨め 「ブログを作ろう!」講座に参加しよう!
6月から始まった講座「ブログを作ろう!地域と私・始めの一歩塾」の受講のおススメ。ブログを地域に発信して「信頼されるコミュニティをつくる」コツを学ぶ実践講座です。シニア社会学会はこの講座を後援しています。
@地域に役立つビジネスを始める人、A自分の活動を発信したい人、Bもっと実践的に地域とコミュニケーションしたい人、を対象に効果的な方法を伝授。
地域活動やNPOの講師陣の成功事例を示し、実践的なブログを作成します。ITに不慣れな方も相談の上、発信が出来るようになります。講座の終了後も、フォローアップサロンで仲間と一緒に6ヶ月実践します。
2人の会員が6月コースに参加。Myブログを公開、他の受講生と連携も生んでいます。事務局では、会員多数がブログ発信すれば動きがよく見えて、シニア社会学会の活性化が図れると考え、運営委員会のサポートの元今後積極的に取り組みたいと考えています。
現在下記の8月コースを募集中!奮ってご参加ください。
--------------------------------------------------------
827日、910日、24日の3回連続講座。いずれも木曜、PM2時〜4時半。
会場:三鷹産業プラザ1階ITルーム(JR三鷹駅南口から徒歩7分)
     東京都三鷹市下連雀3-38-4
講師:堀池喜一郎(シニアSOHO三鷹元代表理事、シニア社会学会理事)ほか
参加費:7,500円(シニア社会学会会員は6,000円)
申込み:下記のWebサイトから申込書をダウンロードしてeメールかFAXで。
http://www.mitaka-sns.jp/modules/topic/topic_view.phtml?id=83508&grpcd=122810
---------------------------------------------------------
主催:三鷹CB研究会(シニアSOHO三鷹、まちづくり三鷹鰍ネどが構成団体)
協力:パルシステム生協連合会セカンドリーグ支援室
後援:多摩CBネットワーク、シニア社会学会
---------------------------------------------------------

6.シニア社会学会法人化に向けてワーキング・グループ発足
2009530日に開催されましたシニア社会学会第8回定時総会において議決された第3号議案に従い、シニア社会学会法人化に向けてのワーキング・グループが発足します。
本年度中の一般社団法人としての法人化を目指し、8月から具体的作業に入ります。経過につきましては、JAAS Newsやホームページでご報告いたします。