JAAS News第82号をお届けします  
               シニア社会学会・事務局:2006.10.13.
 ------ 目次 ------
1.11月25日(土)シニア社会塾シリーズ第6回開催のお知らせ
2.11月11日(土)「フォーラムinかながわ」のお知らせ
3.9月16日(土)シニア社会塾シリーズ第4回のまとめ
4.研究会の動き 
5.シニアニュース
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 1.シニア社会塾シリーズ第6回のお知らせ
日時:2006年11月25日(土)15:00〜17:00
講師:袖井 孝子氏(お茶の水女子大学名誉教授・当学会副会長)
演題:年金の将来―世代間の対立を超えて
会場:みなとNPOハウス4F会議室(六本木俳優座うら)
定員:50名   参加費:会員1,000円、  一般1,200円  主催:シニア社会学会
申込み:参加ご希望の方は、FAXまたはE-mailで事務局までお申し込みください。
FAX:03−5778-4728  E-mail:jaas@circus.ocn.ne.jp 

 2.「2006男女共同参画NPOフォーラムinかながわ」のお知らせ
 シニア社会学会では昨年に続き「フォーラムinかながわ」に参加します。 家庭・職場・地域で求められるコミュニケーションの手段としてのコーチングスキルを学びます。今回は、円滑なコミュニケーションのための信頼関係の構築スキルに焦点を当てて学びます。実体験を交えながらレクチャーします。すぐに使えるものばかりです。奮ってご参加ください。
開催日:2006年11月11日(土)13:30〜15:30
会場:県立かながわ女性センター(神奈川県藤沢市江の島1-11-1)
テーマ:「コーチングスキルを学ぼう!」(ワークショップ)
講師:保坂久美子(プロフェッショナルコーチ、キャリアカウンセラー)
定員:先着20名様までとなっています   参加費:無料
申込み:参加ご希望の方は、FAXまたはE-mailで事務局までお申し込みください。
FAX:03-5778-4728   E-mail:jaas@circus.ocn.ne.jp 

 3.シニア社会塾シリーズ第4回報告
テーマ:甘ったれるなシニアというヤングの叫び
9月16日(土)、轡田隆文(くつわだたかふみ)氏を講師として、六本木みなとハウスで開催いたしました。
ユーモアにあふれた豊富な話題を提供していただき楽しい会となりました。今回は、非会員の方も8名参加。大学生の吉田章さんに、若者を代表して、感想文を書いていただきました。表題のヤングは、今年70歳となった轡田氏ご自身であり、お話の内容は「シニアへの応援のメッセージ」と受け取りました。その一端をご紹介します。(井上記)
 「我々はシニアジュニアである」
1595年のシェイクスピア・喜劇小説「恋の骨折り損」に「シニアジュニア」という言葉がある。この言葉は年齢不詳とも取れ、このシニア社会学会の会員にぴったりの言葉ではないか。福田元官房長官が、今回の自民党総裁選に立候補しなかった理由に「70歳でいまさら」と言っていたが、「70歳はこれから、70歳はシニアジュニアなんだ、70歳ではじめるぞ」と言ってほしかった。京友禅の染め職人、日下部ゆきじ氏も60歳の還暦で、「60歳までは修行の時代」と言っている。彼は20工程からなる京友禅をシステム化する活動をはじめている。
「我々は全部途中である」
私は、UDS結い研究会に入っている。道すがらトイレがあったら、立ち寄ることにしている。本屋も同じだ。車社会は途中がない。途中で大切なのは自分再発見。その途中にどのような自分があったのか検証し直すことが大切だ。還暦などまさに途中の途中。人生はひとつである。第2の人生ではない。還暦は真ん中、70歳は真ん中をちょっと過ぎた程度と思えばいい。
「自分の本を持つ」
自分の本を持つことは自分再発見につながる。読むたびに発見があるものだ。夏目漱石の「我輩は猫である。名前はまだない。」は、名文であり、文章の基本といっていい。時代背景として、日露戦争に勝利して、国をあげて、名をあげて、金持ちになる。まるでホリエモン的な底流があった。その時代に「名前はまだない」と問題提起。その凄さが「我輩は猫である」にある。
「自分の木を持つ」
加藤克己の短歌にある一本の樹、心の中に一本の木を持つことも必要だ。山形で、樹齢千年の木に出会い、「おう千年も待っていてくれたか。ありがとう。じゃまた会おうな」と言ってきた。「シニアジュニアの切符を大切に」
日本サッカー代表チームの監督「オシム」。内戦を生き抜いた彼の言葉は重い。65歳彼はまさにシニアジュニアだ。我々もまさにシニアジュニア、その切符を大切にしていきたい。

■轡田氏のお話を聞いて、吉田章(学生・非会員)
全部聞き終えたとき正直よくわからなかったところもありました。しかし、印 象に残る話も多かったのです。「日はのぼり 日はまた沈む いつのときも  われに 凛たり心の一樹」私はどんなときでも信念を持って生きなさいという意味にとりました。とても深い味わいのある言葉だと思いました。
夏目漱石の話は考えさせられました。「我輩は猫である。名前はまだない。」という意味は考えたこともありませんでした。当時の時代への皮肉だったのですね。その話でいかに自分自身を持つことが大切なことかわかりました。人間自体はいつの時代も変わらないなと思いました。
太平洋戦争の映画、現代の若者が特攻隊にタイムスリップして戦争に巻き込まれる話です。突っ込むときに、その若者が言った。「この時代の奴らは俺たちと何もかわらねえよ!いいやつもいれば悪いやつもいる。普通に笑って踊って泣いたり悲しんだりバカみてえなことやったり何一つ変わんねえじゃねえか」私にはすごく大切な言葉に聞こえました。まるで違うように思える今のシニアの方々も若いときは私達となにも変わらないのだと。現代は若者とシニアは関係が乖離しているといわれています。しかし、そのようなシニアも数十年前まではなにも変わらなかったと思えますし、親近感もわきます。
轡田氏の話は深い話だから難しかったけれども、これから先の生きるヒント・課題を、私自身からたくさん引き出してくれました。とても感謝しています。ありがとうございました。

4.研究会の動き
■社会保障研究会

第22回研究会の報告。日時:10月4日 (水) 15:30〜20:30 場所:天本病院(多摩市中沢) テーマ:老人病院の草分けである天本病院及び関連施設の見学と天本宏理事長のお話。
内容:天本宏理事長は、慈恵会医科大学卒業後、聖マリアンナ医科大学精神神経科を経てライフワークである高齢者の地域医療を実践するため、80年、多摩市に天本病院を設立。多くの病院が長期入院を受け入れる時代に、コミュニティケアを目指し、病院は医局とナースステーション、病室は各家庭であるという発想のもと、もちろん、入院施設も完備しているが、訪問医療・訪問看護・訪問リハビリテーション、そして365日無休・24時間体制の相談受付を行ってきた。その上、老人保健施設、在宅介護支援センター、認知症デイケアなどのデイサービスセンター、もの忘れ外来・脳ドックなどの健康診断、往診専門のクリニックなどが、相互に連携のとれたシステムとして整備されている。
最後のイタリアン・レストランでの理事長を囲む会食では、コミュニティケアの夢を熱っぽく語る天本理事長のお話に、15名の参加者は、圧倒されたのである。(大島 記)

5.シニアニュース
@「生きがい発見シンポジウム」 健康・生きがい開発財団(厚労省所管)主催

中高年で起業した4人の事例から、あなたの身の回りの起業のチャンスを考えてみるセミナー
「身の丈ビジネスで“生きがい起業”」
日時:10月26日(木)18:30〜21:00  
参加費:1000円  定員:先着150名
場所:ベルエポック美容専門学校 第2校舎1階ホール
(渋谷区千駄ヶ谷3-57-6、JR原宿駅竹下口から徒歩5分)
第1部パネルディスカッション:身の丈ビジネスを実践しているパネラー(健康生きがいづくりアドバイザー)による起業の動機・事業内容・活動状況・課題等の紹介 
コーディネーター:吉田隆幸氏、パネリスト:小林洋子・松田誠一・柴田徇也・加藤玲子の4氏
第2部相談コーナー:パネラーを中心に身の丈ビジネス起業を考えている参加者への相談コーナー  上記5氏に加え伊藤美和・藤村宣之の2氏が当たる。
申込み:参加希望の方は下記へFAXまたはEmailで氏名・電話番号を記入の上お申込み下さい。
財団法人健康・生きがい開発財団
(文京区小石川5-2-2 わかさビル4階 TEL:03-3818-1451)
FAX03−3818−3725  Email:ikigai@z.email.ne.jp

A10月4日(木)「NHKクローズアップ現代」に清家篤当学会副会長ゲスト出演。
「働き方革命がホワイトカラーを直撃する」労働規制緩和のひとつでホワイトカラー・エグザンプション(適用除外)がある。労働時間規制を なくして、管理職以外の一般職にまで広げるもの。導入の議論にあたって必要なこととして、長時間労働の会社には人が行かなくなるなどの労働市場の流動性確保、仕事の責任の範囲をはっきり決めること。適用除外の対象労働者は自律的で交渉能力のある一定の年収以上のある人。年休取得率の向上、健康管理の義務付けなどが必要。ホワイトカラーの働き方のありかた、全体像の中で十分に議論していくことが必要。

B8月16日(水)河北新報インタビュー欄「リスタートー団塊のあした」に袖井孝子当学会副会長が登場。(河北新報は宮城県を中心に主に東北エリアをカバーする新聞)
団塊以降は、自分達で老後のライフスタイルを作っていかなければならない世代。アイデアを出して組織化し、リーダーシップをとっていくことが求められる。生きがいを持って老いることができる社会が理想。5年前、シニア世代が主体的に社会に貢献するため、「シニア社会学会」を仲間と設立し、高齢者雇用や次世代育成などをテーマとした政策提言に取り組んでいる。

C「共同参画21・9月号」(隔月刊・ぎょうせい)に沖藤典子当学会理事・運営委員のお話掲載。
有識者に聞く男女共同参画第9回に登場。神奈川県相模原市での活動を中心にお話された。活動のなかで「ジェンダー」の問題が多いこと。「頭は男性、手足は女性」に対する女性からの不満。活動に関心がある男性でも口とは裏腹に女性観や家族観が旧弊な方もいるし、定年後介護福祉士の養成学校で資格をとる男性もいるなど変化もある。シニア社会学会では、産休や育休の代用職員にシニア世代の活用を提案。家庭、地域での人間関係の改善に役立つと考える。