2004年3月17日

シニア社会学会
事務局長 守永 英輔

JAAS News第45号送付の件

1.『「次世代育成支援」に関する要望と提言』について
 当学会の「次世代育成支援研究会」(座長:沖藤典子理事・運営委員)では、昨年2月発足以来次世代育成支援についてほぼ月1回のペースで研究会活動を行ってきました。その経過等については、その都度JAAS Newsやホームページで会員各位にお知らせしてまいりました。
 このほどその成果を内閣への提言書としてとりまとめ、当学会として急速に進行する少子高齢社会の課題につき一石を投じ、広く世に問うこととなり、別紙『「次世代育成支援」に関する要望と提言』として、3月15日・16日の両日、坂口力厚生労働大臣、小野清子特命担当大臣(青少年育成・少子化対策担当)、内閣府男女共同参画局長等に会見し提出いたしました。
 本件の提出の背景として、「少子化社会対策基本法」の「大綱」が5月にも出される模様のため、提言書を早急に提出することにより、これにも反映できれば極めて効果的であると考えております。
 両大臣をはじめ関係者からシニア層が次世代のために立ち上がったことについて新鮮な驚きと評価、この問題についての真摯な取組と難しさを浮き彫りにするような苦渋に満ちた発言もあり、今後着実に進めていきたいとの心強いエールもいただきました。  また、提出後の記者会見で本提言書についてのアピールを行い、16日の読売新聞・日経新聞・北海道新聞にも報道されました。
 ついては、会員のみなさまに同提言書を同封ご送付申し上げます。本提言書は「行動する学会」を標榜する当学会として初めての試みでもあり、会員各位のご理解となお一層のご支援をお願い申し上げる次第です。

提言書の本文は、ここをクリックしてください。

<参考>3月16日の新聞記事

 【日本経済新聞】
 子育て支援で“子ども省”を  シニア社会学会提言
 政策提言組織「シニア社会学会」(木村尚三郎会長)は15日、出生率の低下や子育て環境の悪化を防ぐ狙いから、縦割り行政でバラバラな政府の子育て支援策を一元化する“子ども省”の新設などを柱とする要望書をまとめ、坂口厚生労働相に手渡した。坂口厚労相は「専門の対策機関の必要性はよくわかる」などと応じたという。
 【読売新聞】
◆子育て支援策拡充を提言

 学者や退職者らがつくるシニア社会学会(会長・木村尚三郎東大名誉教授)は15日、社会保障を支える次世代の育成支援拡充を求める提言を坂口厚生労働相に提出した。別々の財源で賄われている、保育サービスや育児休業などの子育て支援策を統合し、「子育て連帯基金」を創設することなどを提案している。
 【北海道新聞】
 子育て環境の改善 坂口厚労相に提言  「シニア社会学会」
 高齢社会のあり方を考える民間団体「シニア社会学会」(本部・東京、木村尚三郎会長)は15日、坂口厚生労働相に対し、次世代育成支援に関して要望と提言を行った。取りまとめ役としてかかわった同学会理事で、室蘭出身の作家沖藤典子さん(65)=神奈川県相模原市在住=は「子供が欲しい人も産みづらく、育てにくい社会。政府で対策本部を設けてはどうか」などと指摘した。
 同学会によると、要望書と提言は、@次世代育成のための新しい支援システムの創設 Aすべての男女の「仕事と家庭の両立」支援 B子育て環境の改善〜〜の三つのテーマが柱。
 具体的には、現在は児童手当や雇用保険など、ばらばらの子育て支援サービスの一元化、男性も育児休業を取りやすい企業風土づくりなどを求めた。坂口厚労相は「新たな保険制度などは難しいが、年金制度の中に何とか組み入れるなど、もう少し考えたい」などと述べたという。
 同学会は老若男女が参画できる社会を目指し、学者やサラリーマンOBらが集まり3年前に発足、活動を続けている。

2.次回シニア社会塾は4月17日に開催されます
 第13回シニア社会塾を次により開催いたします。多数の皆様(会員以外の方も歓迎)ご参集ください。

 テーマ 『対話型討論』
<市民の出番です・・・・市民公益サービス活動が社会を改革する>
 日本の改革は、政治や行政に頼らず、市民が身近な地域で、市民が行う公益サービス活動で、地域を、市町村を改革し、あたたかい心豊かな日本をつくり、孫の世代に贈りましょう。
 少子高齢化が,急ピッチで進む中、行政が市民のためにしなければならない業務は,
増えつづけています。しかし、財政・人員とも減少し、対応しきれません。市民の間に、高齢者・子育て・教育等の自分たちの地域の課題を、行政と協力しながら、自分たちが参加して解決しようという気運が高まっています。これ以外に、心豊かに住みよい地域にする方策はありません。
 問題提起・司会進行:和久井 良一氏(さわやか福祉財団 渉外代表、当学会理事)

  日時:4月17日(土)14:00〜16:00
  場所:慶應義塾大学(三田)南校舎 425号室
    港区三田2-15-45 TEL:03-3453-4511
    (最寄り駅:JR田町駅または都営地下鉄三田駅より徒歩5分)
<注>
前回のシニア社会塾参加の方には、4月10日の予定と予告をいたしましたが、会場その他の事情により、4月17日になりましたので、お間違えのないようご注意ください。

3.ユニバーサル・デザイン・スタディ研究会(UDS)2月定例会報告
  月1()午後6時30分から、六本木「みなとNPOハウス」2階会議室で、12名が参加して開催されました。
 まず、活動テーマについては、@次回に各々がUD商品・施設・サービスに関する表現物を持ち寄り、第三者UD評価を検討する、A昨年までの延長線上での活動を継続するかどうかを再検討することにしました。また、UDに関する3分スピーチを全員で行うことにより、情報交換を蜜にすることにしました。
 次回は、3月18日(木)(開始時間・場所は同じ)に行います。

4.「望ましいシニア像研究会」の次回は、4月16日(金)15時〜19時です
  場所:早稲田大学・高田牧舎・2階人総研会議室

5.「雇用における年齢差別研究会」
 標記の第4回研究会は、3月10日(水)慶応大学で開催されました。今回は連合(日本労働組合総連合会)の総合労働局・総合局長:須賀恭孝氏から労組のエイジレスに対するスタンスについてヒアリングしました。内容は「本音」が多くあり有益でした。次回は経団連から企業サイドの見解を聴く予定です。次回期日は未定。(鈴木・記)
                                                                                             以上